信号機横断や移動に関連する資料を掲載しています

・道路交通事故関連
・ホーム転落事故関連
・踏切事故関連
・通達・法令・ガイドラインなど
・研究・論文など

道路交通事故関連

●都内駒込駅前における視覚障害者の交通事故に関する 緊急声明
日本視覚障害者団体連合2018年12月25日
 http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/181225-jimu/#contentsArea
 ・・・この社会的障壁において、もっとも困難とされるのが「道路の横断」である。特に誘導音が鳴らない横断歩道等での横断は、常に危険と背中合わせの状況となっている。視覚情報から青や赤の判断がつかない視覚障害者にとっては、音での情報が必須であるが、青や赤を判断するための誘導音がない場合は、目の前の信号情報を正確に認識できず、十分注意した上でも危険を覚悟して道路を横断せざるを得ない。
●視覚障害者は「運を天に任せて」横断歩道を渡る 音響信号「99%」のカラクリ
毎日新聞 2020/12/29 18:31(最終更新 2/5 22:42)
 https://mainichi.jp/articles/20201229/k00/00m/040/175000c#main
 音響式信号機の稼働が止められている横断歩道で視覚障害者は極めて危険な状況にさらされている。政府は、公共空間のバリアフリー化を東京オリンピック・パラリンピックのレガシー(遺産)と位置づけ、音響式信号機の設置が必要な横断歩道では既に数値目標の「99%」が設置済みとしている。しかし、警察当局へのアンケート調査や当事者の取材で浮かび上がったのは、視覚障害者が求める安全な歩行環境が整備されているとは言い難い現状だった。【田崎春菜】
●徳島で盲導犬使用の男性がバックしてきたトラックにはねられ死亡
2016/10 徳島市(千葉市PDF)
 https://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/shougai-kurashi/jouhouhoshou/minaoshi2016/giji/documents/02-ref2.pdf
 10月3日、徳島市にて盲導犬を連れた視覚障害者が後退中のトラックにはねられて死亡する事故が 発生。トラックに装備されていた後退時に注意を促すブザーのスイッチは切られていた。 電気自動車やハイブリッド自動車など、「静かな車」の危険性が視覚障害者等から指摘されている。
●歩道で自転車と接触、白杖を折られた女性「目が見えない人の不安を知って」 一緒に歩いてみて見えた実情
東京新聞 2023年9月25日 06時00分
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/279472
 武井さんは仕事帰りの8月16日午後4時20分ごろ、JR高田馬場駅(新宿区)近くの歩道を点字ブロックに沿って歩いていたところ、正面から走ってきた自転車の車輪に持っていた白杖が接触した。歩道幅は3メートルほど。けがはなかったが、白杖は車輪に巻き込まれて折れてしまった。
●“道路が怖い” 横断歩道に潜む視覚障害者の危険
NHK 2022年10月20日 14時43分
 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221020/k10013863981000.html
 ことし8月、鹿児島市で横断歩道を渡っていた目の不自由な男性が路線バスにはねられてけがをする事故が起きました。バスを運行していた会社は「歩行者側は赤信号だった」と話しました。
●白杖折れる事故多発 視覚障害者の半数、車など接触 通行人とも「命綱と認識して」
西日本新聞me 2016/10/2 14:36 (2017/10/2 14:36 更新)
 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/358840/
 目が不自由な人が歩行中に、車や自転車と接触するなどして「命綱」の白杖(はくじょう)が折れるケースが全国で頻発している。日本盲人会連合(東京)の全国調査によると、視覚障害者の半数近くが1度は白杖が破損した経験があるという。人身事故へと発展し、被害者になる例も少なくない。視覚障害者側から接触を避けるのは難しく、福岡県盲人協会は「視覚障害者は命懸けの覚悟で外出している現実を知ってほしい」と訴える。
●視覚障害者と介助者死亡 横断中はねられる 船橋の市道
千葉日報 2014年5月23日
 https://www.chibanippo.co.jp/news/national/194641
 船橋市松が丘5の市道で21日午後7時半ごろ、横断していた近くの鍼灸(しんきゅう)師、三浦芳郎さん(64)と同市習志野台3、高田智代さん(69)が軽乗用車にはねられた。2人は頭などを強く打っており、間もなく死亡した。

ホーム転落事故関連

●駅ホームからの転落事故を防ぐために
第一生命経済研究所 2022.9
 https://www.dlri.co.jp/report/ld/202808.html
まずは、駅のホームからの転落件数の推移をみる。国土交通省のデータによると、全体の転落件数(図表1①)はかつては増えていたが、2014年(3,730件)を境に減っている。また、視覚障害者の転落件数(同②)も、2015年(94件)以降は減る傾向にある。
●【図解・社会】駅ホームでの事故による視覚障害者の死傷者数推移
時事ドットコム 2019年4月
 https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_unyukotsu20190427j-01-w340
 全国の駅で列車に接触して死亡した視覚障害者が2010~17年度に計10人に上ることが27日、国土交通省への取材で分かった。18年度も視覚障害者の死亡事故は発生しており、ホームドア整備など防止策の加速が求められそうだ。
●視覚障害者「駅ホーム転落事故」対策は万全か
東洋経済オンライン 2021/12/07 4:30
 https://toyokeizai.net/articles/-/471882
視覚障害者によるプラットホームからの転落事故が後を絶たない。2020年もホームからの転落事故で4人もの命が失われた。事故を防ぐためにはどうすればよいか。全日本視覚障害者協議会(全視協)の山城完治理事長に話を聞いた。
●駅ホームからの転落に関する状況
国土交通省 鉄道 2020年
 https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001378759.pdf
 令和元年度(2019)におけるホームからの転落件数1 は2,887件で、このうち視覚障害のある人の件数は61件でした。 また、人身障害事故2 のうち、「ホームから転落して列車等と接触」したものと「ホーム上で列車等と接触」したもの を合わせた「ホームでの列車等との接触事故」の件数は160件で、このうち視覚障害のある人の件数は5件でした。
●駅ホームから転落!」 対処法を視覚障害者が体験
YouTube動画 2020/10/22
 https://www.youtube.com/watch?v=2jLdTQFYah0
●視覚障害のある男性、誤って転落か ホームドアのない阿佐ケ谷駅
東京新聞 2020年7月28日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/45176#:~:text=%E7%BD%B2%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%81%EF%BC%92%EF%BC%96%E6%97%A5,%E3%81%BB%E3%81%A9%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%81%9A%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%80%82
 署によると、26日午後2時45分ごろ、1番線ホームの点字ブロック付近を歩いていた吉本さんが足を踏み外して線路に転落。自力でホームによじ登ろうとしていたところ、進入してきた総武線三鷹行き普通電車とホームの間に挟まれ、6~7メートルほど引きずられたという。

踏切事故関連

●いま踏切のどこに?警報鳴っても分からない視覚障害者の安全は
NHK 2023年10月5日 20時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231005/k10014216261000.html
 「踏切の音が鳴っていても、自分が遮断機の中にいるのか外にいるのか分からないことがある」
 おととし静岡県三島市で、視覚障害のある男性が踏切の中で列車にはねられて死亡する事故が起きました。そのとき、男性は危険な場所に立っている自覚がなかった可能性があるとみられています。
●埋もれかけた踏切事故 ~A4 2枚の報告書の真相
NHK事件記者取材note 2022年4月28日
https://www3.nhk.or.jp/news/special/jiken_kisha/kishanote/kishanote54/
 静岡県三島市 2021年8月14日午後9時半ごろ伊豆箱根鉄道駿豆線の、三島駅と三島広小路駅の間の踏切。
 その事故は、去年8月14日の夜に起きた。映像により、踏切内で立っていた佐藤さんは、警笛を鳴らされた後、数歩、後ずさりしていたことがわかった。遮断機の内と外 勘違いしたか・・
●視覚障害者に安全な踏切とは
NHK 2023年7月13日 午後5:34 公開
https://www.nhk.jp/p/ts/RPGK957KLP/blog/bl/pBpEw5pXkN/bp/pvoppaOLxe/
 2022年4月、大和郡山市で目の不自由な女性が電車と接触し、亡くなる事故がありました。痛ましい事故から1年あまり。国が踏切内の安全対策を見直し、県内の一部の踏切には点字ブロックが設置されました。この事故から、どのような教訓が得られ、今後、どう生かすべきかを取材しました。
●関西テレビNEWS さんが YouTube に投稿した動画
2022/05/24
https://www.youtube.com/watch?v=0edvb5rACZA
 「なぜ踏み切り内で立ち止まり引き返したのか 死亡した視覚障害者
●視覚障害者の踏切での事故をなくすために
日本歩行訓練士会
https://www.nippokai.jp/topics/33.html
 視覚障害者にとって踏切の単独での横断は危険を伴います。実際、2021年、2022年と続けて視覚障害者が踏切内で列車と接触し亡くなられるという痛ましい事故が発生してしまいました。
 国では2022年6月に「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」の改定を行い、踏切道での視覚障害者の誘導について、
①踏切手前部に視覚障害者誘導用ブロックを設置(積極的な整備を求める内容)②視覚障害者が踏切の外にいると誤認することを回避するため、踏切内に表面に凹凸のついた誘導表示等を設置(さらに高い水準として望ましい整備内容)と規定しましたが、特に踏切内の誘導表示については具体的な明示がなく、現在も検討が行われています。

通達・法令ガイドラインなど

●視覚障害者用付加装置に関する設置・運用指針の制定について(通達)
警察庁 2024年3月26日
 https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20240326_4.pdf
1 目的この指針は、道路を横断する視覚障害者の利便性、安全性等を向上するため、視覚障害者用付加装置(以下「本装置」という。)の設置・運用について必要な事項を定めることを目的とする。
●エスコートゾーンの設置に関する指針の制定について(通達)
警視庁 2024年3月26日
 https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20240326_5.pdf
 1 目的 この指針は、道路を横断する視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるために横断歩道上に設置され、視覚障害者が横断時に横断方向の手がかりとする突起体の列(以下「エスコートゾーン」という。)の設置に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
●移動等円滑化の促進に関する基本方針の一部を改正する告示等の公布に 伴う交通警察の対応について(通達)(高度化Pics)
警視庁 令和2年12月25日
 https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20201225-5.pdf
 夜間においても信号機から音響を発することに対しては、地域住民の理解を得られないなどの事情により、視覚障害者の要望に応えられない状況であった。この点、昨今の技術開発により、Bluetoothを活用し、スマートフォン等に対して歩行者用青信号の表示に関する情報を送信する機能等を有する高度化 PICSの開発が進み、これを活用することにより、夜間においても、視覚障害者に対して、歩行者用青信号の表示を知らせることが可能となったことから、視覚障害者の移動の安全を確保するために、今後、高度化PICSの整備を推進していく必要がある。
●歩車分離式信号に関する指針の制定について(通達)
平成14年9月12日
https://www.npa.go.jp/pdc/notification/koutuu/kisei/kisei20020912.pdf
 この指針は、信号交差点における歩行者等の安全を確保するため、標準的な交差点において歩車分離制御を導入し、運用する場合の一般的配意事項を定める・・
●「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」の改定概要(踏切)
国土交通省 令和4年6月9日(2022年)
 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001485489.pdf
 こちらはガイドライン前文です。43.7MB https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/bf/kijun/pdf/all.pdf
国土交通省では、踏切道での安全対策のため、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定しました。具体的な改定内容としては、・踏切手前部での視覚障害者誘導用ブロックの設置を標準的な整備内容・踏切内での表面に凹凸のある誘導表示等の設置を望ましい整備内容として位置付けることとしました。

研究・論文など

●横断歩道における音響信号の提示高さが視覚障がい者の横断歩行に与える影響
篠原 一光(大阪大学大学院人間科学研究科) 20180602
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jje/54/Supplement/54_2C4-1/_pdf/-char/ja
本実験により音響信号の高さが視覚障がい者の道路横断歩行に影響があることが示された.低い位置の音響信号は歩行者の体の向きに関わらず安定した音源位置定位となること、音響信号のある方向に進行しやすい傾向があることから音響信号を低い位置に設置することで視覚障がい者の歩 行を誘導しやすくなる可能性が示唆された.